2021年05月16日

雛形モゲラのマスコミ記事(2)

月刊誌「平凡」昭和32年12月号を眺めていたところ、東宝特撮映画「地球防衛軍」の特撮セットを漫画家のやなせ・たかしがレポートするという記事があったので紹介したい。なんと、やなせ・たかしが雛形モゲラの尻尾を掴んでトロフィーのように持ち上げているのだ。
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この特写から、雛形モゲラの大きさは50cmくらいはありそうで、台座に固定されているわけではないことがわかる。また尻尾だけで持ち上げても胴や脚が折れたりしない程度にはしっかりした骨組みに支えられており、にも関わらずそれほど重くもないようだ。日本テレビ「日立ファミリースコープ」で展示されて以降、雛形モゲラはいったいどこへ行ってしまったんだろう。現存しているならブロンズで抜いて須賀川特撮アーカイブセンターの一角に記念碑として飾るべき逸品だと思う。
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「平凡」は昭和30年9月号別冊付録「夏休みお笑いグラフ」で獣人雪男のスチルにターザンのイラストを絡ませたり、昭和32年1月号では画家の山下清にラドンの飛び人形を持たせたりしていて、とかく東宝特撮の珍しい特写スチルをお持ちである。「ゴジラさんさようなら」も「平凡」の企画だったような。どこかの出版社から「平凡・明星の特写スチルにみる特撮レアスナップ集」なんて写真集をだしてくれないものかな。今のご時勢では仮に企画が立ったとしてもクラウドファンディング方式で、私が気付いた時には締切過ぎてて申し込めなかったりするんだろうけど。ありがち。
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posted by 猫山れーめ at 19:28| Comment(0) | クラシック特撮映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月29日

雛形モゲラのマスコミ記事(1)

1957年の東宝特撮映画「地球防衛軍」にはモゲラというロボット怪獣が登場する。その姿から一見すると破壊活動を目的としたモンスターだが、特撮ファンの見解によるとこれは単なる侵略ロボットではなく遊星人ミステリアンが地下基地建設に使った土木作業ロボットなのだそうな。とはいえ劇中のモゲラはやはり破壊活動を行なう。映画前半の早い段階で登場し、目から青白い火球(プラズマ?)のようなものを発射して田舎町を焼くが、最後は自衛隊の罠にかかって崖から落とされる。その後、国会での報告シーンで「モゲラの残骸を分解して調べた」と言っていたから所詮は金属製品、動かなければ地球人でもバラせるようである。

個人的には、劇中に登場したモゲラよりも雛形として作られた粘土原型のモゲラが大好きだ。劇中とはプロポーションがまるっきり違うので、こちらは特撮ファンの間では通称「雛形モゲラ」または「粘土原型モゲラ」と呼ばれて区別されている。私が雛形モゲラを好きなのは幼少のころブルマァク製のモゲラのソフトビニール人形を持っていたという思い入れのせいかもしれない。当時のソフビ人形モゲラは劇中のプロポーションではなく雛形モゲラをモデルに作られているのだ。

雛形モゲラのスチル写真は専門書やムックで「地球防衛軍」が取り上げられる時にしばしば掲載されることがある。屋内でのモノクロが4種類と屋外でのカラー写真が1種類だっただろうか。もっとあるのかもしれない。日本テレビが昭和34年4月から翌35年1月まで放送していた「日立ファミリースコープ」に円谷英二がゲスト出演した回ではスタジオに「地球防衛軍」のミニチュア・ジオラマが展示されていたが、ここにいたのも雛形モゲラだった。当時日テレが発行していた広報誌「月刊NTV」にそのときのスナップ写真がカラーで掲載されていて、円谷英二研究で知られる竹内博さんが「私が知る限り最も早い時期の円谷英二のカラー写真です!」とおっしゃるので差し上げてしまったから、今では何年何月号だったか分からないままになっている。

今回なぜ急に雛形モゲラの話など始めたのかというと、海外ドラマ「ジェットジャクソン」のサブタイトルリストでも紹介しようかなと思って朝日新聞をめくっていたらこんな記事が出ていたのである。Mogera01.jpg
お次はモゲラ 東宝の怪物映画
空想映画が得意の東宝撮影所でゴジラ、ラドンに次ぐ三番目の怪物「モゲラ」が誕生した。こんど製作する『地球防衛軍』の主人公になる。これまでの単なる怪獣映画から脱皮して、こんどは本格的な空想科学映画を、というのがスタッフの抱負で、このモゲラもゴジラ、ラドンに似た怪物だが、中身は歯車やゼンマイなど、機械ばかりのロボットということになっている。
完成間近のハリボテの原型をみると、背中に円いノコギリ盤がついており、鼻先や手足の指は土を掘るドリル、目玉には電気がついて放射能を発するというもの。
物語は、宇宙に浮ぶ遊星ミステロイドで原水爆戦争の結果、人が住めなくなり、宇宙人たちは宇宙船に乗って地球に安住の地を求めてくる。そしてこのモゲラを電波で操縦して、地中に都市を築き、地球を侵すというもの。地球防衛軍はさまざまの新兵器を使って彼らを追い出すのだが、それらの兵器とともに、人工衛星、宇宙船、地下王国など、自慢の特殊技術を駆使する効果が見ものになろうという。
(「朝日新聞」1957年7月26日 夕刊5面より)


……いくら「完成間近のハリボテの原型」と断ってあるとはいえ、本当に造形中の状態を全国紙にのせる人がありますか。Mogera02.jpg
キャタピラの鎧や螺旋ドリルの嘴がないこの状態ではまるで子供が遊びで作った粘土細工のようだがプロポーションは確かに雛形モゲラだ。ここからあのシャープでメタリックな雛形モゲラにまで仕上げるのだから造型家の腕にはただただ驚かされる。それにしても朝日新聞、7月26日掲載とは相当早いスクープ写真のような気がする。現場が「いやまだこれ出来てないから困ります」と渋るのを「いいからいいから」とかいって撮っちゃったんだろうか。
posted by 猫山れーめ at 13:25| Comment(0) | クラシック特撮映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月24日

原作版・緯度0大作戦(放送リスト)

単なる覚え書きレベルのもの。

1969年7月公開の東宝特撮映画「緯度0大作戦」は1940年代にアメリカで放送されたテッド・シャードマン原作のラジオドラマ「Tales of Latitude Zero(緯度0の物語)」を原作としていると言われているが、国内においてそのラジオドラマの内容を知る術はほとんど無いといっていい。

そこで海外でラジオドラマのノベライズ化がされていないかと考え「世界中の20億件をこえる図書館資料を見つけることができる」との触れ込みである検索サイト「WorldCat」で「Tales of Latitude Zero」を検索してみたが該当するものはなかった。酷似したタイトルはあったが内容は別物だった。
「Latitude Zero」での検索では大量にヒットしてしまうため発行年を1940年代に絞っていくと――著者にテッド・シャードマンが含まれるものがいくつかあった。一つはワイオミング州のアメリカンヘリテージセンターが所蔵するテッド・シャードマンの莫大な収集品集で、映画やテレビドラマの脚本・アイデアを含んでいるらしい。容積67立方フィートに105箱以上収蔵されているそうだ。
もう一つはズバリそのまま、ラジオドラマ「Latitude zero」の脚本であった(タイトルはWikipediaで紹介されている「Tales of Latitude Zero」ではない)。ただ、所蔵施設については「申し訳ありません。該当資料の所蔵館が見つかりませんでした。」と表示されている。また、メモ欄の表記を含めて誤転記なのか原書どおりの表記なのか判別つかない部分も多い。メモでは第一部の放送期間が1941/6/7~8/16の毎週土曜、第二部の放送期間が1941/4/29~6/10の毎週火曜となっているのだが、これでは第二部の方が先に放送されたことになってしまう。おそらく第二部放送の1941年は1942年の転記ミスで、毎週水曜放送なのだが誤記した日付データを元にして毎週火曜と記してしまったものと推測する。ただし当時の新聞のラジオ欄など一次資料との裏付けはできていない(ニューヨークタイムズの紙面アーカイブ「TimesMachine」で確認できるかなと思ったが、どうも有料であるらしいし、そもそもラジオ欄が載っているかかどうかも不明なため見送った)。東宝映画では「ルクレチア夫人」と呼ばれるキャラクターもラジオドラマ版のサブタイトルを見ると「ルシファー夫人」となっているようだが、これも原書どおりなのかweb転記ミスなのかはわからない。

その点も含めて、WorldCatから判る範囲でのラジオドラマ版「緯度0大作戦(原作)」の放送リストを下記のとおり整理してみた。信頼度としてはいささか怪しいので、新聞での突合が必用である。また有志によるラジオドラマ脚本の発掘と翻訳出版を期待する。

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米NBCラジオ「緯度ゼロ(Latitude zero)」
脚本 テッド・シャードマン、アン・シャードマン(※テッドの妻。検索によると東宝映画「華麗なる闘争」(1969)にも出演している「アン・ストーン」がアン・シャードマンの別名らしいが未確認。)

第一部
1941/6/7~8/16(土)16:00~16:30放送

第 1話「オメガの発見 (Discovery of Omega)」
第 2話「ルシファー夫人 (Madame Lucifer)」
第 3話「鮫 (The shark)」
第 4話「マリク (Malic)」
第 5話「マリクの計画 (Malic's plan)」
第 6話「魔魚の海淵 (The deeps of the devil fish)」
第 7話「レムリアの野獣 (The beast of Lemuria)」
第 8話「緯度ゼロ (Latitude zero)」
第 9話「ズァクームへの出発 (Start to Zhakoom)」
第10話「ズァクーム到着 (Arrival at Zhakoom)」
第11話「ズァクームの冒険 (Adventures on Zhakoom)」

第二部
1942/4/29~6/10(水)21:30~22:00放送

第12話「羊飼いの息子 (The son of Shepherd)」
第13話「ズァクームの悪魔の樹 (The demon trees of Zhakoom)」
第14話「グリフォンの襲撃 (The Griffon attacks)」
第15話「勝利と敗北 (Victory and defeat)」
第16話「ズァクームからの離脱 (Departure from Zhakoom)」
第17話「鮫の壊滅 (Destruction of the shark)」

posted by 猫山れーめ at 22:07| Comment(0) | クラシック特撮映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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