2021年04月30日

ジェット・ジャクソン(Jet Jackson, Flying Commando) 放送リスト

「Jet Jackson, Flying Commando」は1954年9月9日〜1956年1月21日にかけてアメリカCBSで放映された全39話から成る冒険テレビシリーズである。日本ではKRT(ラジオ東京テレビ、現:TBSテレビ)が「ジェット・ジャクソン」の邦題で1957年4月から翌58年1月まで9ヵ月に亘って放送した。製作は数多くのハンナ・バーベラ製アニメやホームコメディ番組を配給したことでも知られるスクリーン・ジェムス(Screen Gems)。

本作を動画検索すると内容がほとんど同じであるにも関わらずタイトルが「Jet Jackson, Flying Commando」となっているものと「Captain Midnight」となっているものが見つかるが、このようなバージョン違いが生じた理由について簡単に説明していこう。JetJackson_01.jpgJetJackson_02.jpg

まず、この番組はもともと1938年から1949年まで続いた戦前の大人気ラジオドラマ「Captain Midnight」がベースになっている。本作の主人公ジム・オルブライト大尉は元・第一次大戦のエースパイロットで、かつて過酷なミッションをやり遂げ深夜12時の鐘とともに帰還したことから「キャプテン・ミッドナイト」との異名で呼ばれている。第二次大戦を前に組織された民兵組織シークレット部隊にスカウトされ、日夜スパイや傭兵部隊からアメリカを守って戦うという筋書きだ。シリーズを通しての敵は国際傭兵組織の首領イヴァン・シャークとその一味だったが、ラジオドラマ放送中に太平洋戦争が始まるとナチスのフォン・カープ男爵や日本海軍のヒマキト提督といった枢軸国側とも戦うことがあった。このイヴァン・シャークは後のTV版にも登場している。また当時アメリカの子供たちの間で流行っていた暗号解読バッジ(Secret decoder ring)が本作でも「コードオーグラフ(Code-O-Graph)」という名のスポンサーノベルティとして配布され、これをを使ってドラマ劇中の暗号を解読すると次週の展開のヒントがわかるというリスナー参加型のギミックが大いに受けた。子供向けの冒険活劇ではあったが、愛聴者の半数は大人が占めていたとも言われている。

1942年にはデイブ・オブライエン主演で全15回からなる連続活劇映画も作られた。これは戦後「Captain Midnight's Adventure Theatre」という枠名で1953年から翌1954年にテレビ放送されたが、その後を受けて始まったのがリチャード・ウェッブ主演の新作テレビドラマシリーズ「Captain Midnight」である。こちらもまたリアルタイムの世相を反映し、キャプテン・ミッドナイトの来歴は元・朝鮮戦争で活躍したエースに変更。その他のレギュラーにオラン・ソウル演じるシークレット部隊の頭脳「アリストテレス・ジョーンズ博士」(通称タット博士)、シド・メルトン演じる三枚目のメカニック・マン「イカボッド・マッド」(通称イッキー)を加え、ひとたび事件が起これば丘の上のドーム型秘密基地から最新鋭機ダグラスD-558-2スカイロケット「シルバーダート号」で駆けつける、科学時代のニュー・ヒーローへと衣替えした。もちろん視聴者向けの暗号解読コーナーも健在で、ラジオドラマ時代からスポンサーをつとめるワンダー・カンパニーの麦芽飲料オーバルティン(Ovaltine、日本では1977年9月にカルピス食品工業が「オバルチン」の商品名で発売したことがある)を買って瓶の内蓋シールを送ると暗号解読バッジを貰うことができた。

……ちっとも簡単な説明じゃありませんでした。端折りますけどここからが本題です。

CBSでの放映を終えた「Captain Midnight」は1958年までにシンジケーションを通じて番組販売されることが決まっていたが、「Captain Midnight」という名称の権利は旧スポンサーであるワンダー・カンパニーがガッチリ握っていた。困ったスクリーン・ジェムスは主人公の名前を変更することを決意、セリフにある全ての「Captain Midnight」を「Jet Jackson」に吹き替え直し、タイトルボードを「Jet Jackson, Flying Commando」に差し替えた(もちろんオーバルティンのCMを兼ねた暗号解読コーナーもカット)。

こうした紆余曲折を経て日本でも放映されるようになったものが「ジェット・ジャクソン」というわけである。放送枠は毎週土曜の19:30~20:00、秋季改変期の第25話からは30分繰り上がって19:00~19:30となった。声の出演は真木恭介(ジェット・ジャクソン)、緒方敏也(タット博士)、太宰久雄(イッキー)。タット博士とイッキーの声優は逆かもしれない。誤りがあったら挙証資料を添えてコメント欄からご教示ください。JetJackson_00.jpg

米国では全39話だがKRTでは3本も再放送する余裕があるにも関わらずトータル38話分しか放送されていない。これはおそらく米国版第35話(S2E9)「The Jungle Pit」がKRT放送時には欠番とされたためではないかと思われる。「The Jungle Pit」はジェット・ジャクソン(=キャプテン・ミッドナイト)とイッキーが行方不明の父親を探す日本人青年ジェリーに協力する話で、旧日本兵だった父キサノは今も太平洋の島に隠れ続けているという設定。ジェリー役はDominique De Leon、キサノ役はKazuo Togo=グレート東郷が演じた。JetJackson_03.jpgJetJackson_04.jpg

【1957年】19:30~19:00 枠 
1 04/13 放射能元素0
2 04/20 消えたロケット
3 04/27 誘導弾X
4 05/04 足のない幽霊
5 05/11 魔境に戦う
6 05/18 氷点下の恐怖
7 05/25 ダイヤモンド密輸団
8 06/01 ファラオの呪(のろい)
9 06/08 贋造紙幣
10 06/15 失われた人工衛星
11 06/22 鉄格子の裏の謀略
12 06/29 空をゆく密使
13 07/06 秘密の島
14 07/13 地下室の謎
15 07/20 電気博士の恐怖
16 07/27 狂人博士と殺人音波
17 08/03 爆弾魔の復讐
18 08/10 大森林の秘密
19 08/17 見えざる恐怖
20 08/24 人工台風
21 08/31 北極上空の謎
22 09/07 ねらわれた新兵器
23 09/14 十代の犯罪
× 09/21 (※ボリショイ・バレエ団「コッペリア」公演中継番組のため中止)
24 09/28 恐怖の脱走
25 10/05 秘密の部屋(※これより19:00~19:30 枠に移動 )
26 10/12 謎の根拠地
27 10/19 死の短剣
28 10/26 冷凍人間
29 11/02 原爆スパイ団
30 11/09 海底の宝石
31 11/16 潜入者
32 11/23 迷信の山
33 11/30 火の山
34 12/07 百万ドルのゆくえ
35 12/14 失われたスーツケース
36 12/21 ダイヤモンドの秘密
37 12/28 死のロケットパイロット

【1958年】
38 01/04 白昼の誘拐
EX 01/11 人工台風(※第20話の再放送)
EX 01/18 失われた人工衛星(※第10話の再放送)
EX 01/25 ファラオの呪(※第8話の再放送、「最終回」の表示あり)
posted by 猫山れーめ at 00:00| Comment(0) | クラシック海外ドラマ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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