2019年08月23日

宇宙物語・遊星人M 全話レビュー/第2話「悪魔指さすところ」

宇宙物語シリーズその二 遊星人M
第二話「悪魔指さすところ」
1956年12月20日(木)20:00~20:30放送

原作:香山滋、脚色:魚住大二、音楽:宇野誠一郎、広告代理店:博報堂、提供:シルバー携帯ラジオ(白砂電機)
制作:大垣三郎、演出:北代博、フロアマネージャ:忠隈昌、AD:柴田馨、デザイン:坂上建司、美術連絡:青山宏央、美術進行:芦田光長、小道具:高橋俊一、衣装:山我幸江、化粧:小松英子、音響:高橋孝・市川昭和・居作昌果、テクニカルディレクター:岩西浩、カメラ(ロケ):糸田頼一・藤波貞夫・中村昭三、ビデオエンジニア:北大路矗、オーディオエンジニア:林清男・須賀良浩、照明:倉本泰司

出演:
浅香(天文台勤務 理学博士)50歳……江川宇礼雄
園部伊都子(その助手)26歳……西朱美
水島亮吉(新聞記者)33歳……沼田曜一
関なち子(その恋人 インターン医学生)23歳……藤波京子
小野寺善樹(国立細菌学研究所長 医学博士)45歳……河野秋武
今井周一(科学小説家 アマチュア写真家)36歳……原保美
今井カズ子(その妹 サラリーガール)21歳……青島純子
寺尾晃(カズ子の恋人 サラリーマン)27歳……相原巨典
遊星人M(惑星ガロア人)……江見渉

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 新聞社に押しかけて円盤が消える原理を水島記者(沼田曜一)と早野少年(山本豊三)に説明しようとする今井周一(原保美)だったが、そのとき何者かから「妹を愛するなら語るのをやめよ、直ちに帰りて妹の運命を見よ」というテレパシーでの警告を受け、妹カズ子(青島純子)の身を案じて説明もそこそこに新聞社を辞去した。

 入れ替わりに来た写真班の品川カメラマンは水島記者に、動物園から逃げたゴリラの取材への同行をもちかける。ゴリラは熱病に罹っており動けないはずだったが、誰かが故意に檻から逃がしたらしい。それを聞いた早野少年は熱病の流行とゴリラの脱走には今回の円盤騒動と何か関係があるのでは、と推理を巡らせ、同行をねだる。ゴリラの件は報道禁止のお忍び取材だったため、弱った水島記者は早野少年に仕度してくるように言っておいて、そのすきに早野少年を置いて品川カメラマンと二人で取材に出てしまった。

 一方、周一がアパートに戻るとカズ子の姿はなく、スーツケースにはヒトデのような手型が残されていた。周一はカズ子の恋人・寺尾晃(相原巨典)を呼び出し、円盤でやってきた生物にカズ子がさらわれたらしいことを説明していると、再びあの不思議なテレパシーが伝わり、細菌研究所附属病院に入院している浅香博士の病室に来るよう指示される。寺尾と周一は指定された場所へと向かった。

 病室で眠りつづける浅香博士(江川宇礼雄)を助手の園部伊都子(西朱実)が看病していると、突然浅香博士が目を開き、これから来客があること、その者の名は今井周一であることを告げると、再び気を失ったように眠ってしまう。浅香博士が目覚めたことを川北看護婦(山岡久乃)から知らされた小野寺所長(河野秋武)が少し遅れて病室にやってきたが、その時はもう浅香博士は眠りつづけるだけであった。このとき小野寺所長のそばにインターン医学生で水島記者の恋人・関なち子(藤波京子)の姿はなかった。彼女は小野寺所長の指示でゴリラが脱走した動物園に出向いていたのである。

 動物園へ忍び込んだところを守衛に見つかって逃げ惑っていた水島記者と品川カメラマンの二人を救ったのは、調査に来ているなち子、そして水島から置いてきぼりを食らったと知るや、なち子に連絡をとってまんまと同伴してきた早野少年だった。人心地ついて現場の調査を始めた水島は、草むらで緑色の血に濡れた細長いヒトデのような指を発見。これはゴリラを連れ去ろうとしてゴリラにもぎとられた犯人の指に相違なかった。

 そのヒトデのような指の持ち主である謎の人物―遊星人M(江見渉)は、先ほどからの水島たちの一部始終を円盤の中のテレビで監視していた。テレビを見終えた彼は、気絶していたカズ子を目覚めさた。驚くカズ子にMは、ここが地上300メートルの空中に停止している円盤の中であること、自分は遊星ガロアに住むMだと語った。カズ子はMが宇宙人だというのは嘘で、その証拠にMは地球の言葉を話しているじゃないかと指摘する。これに対してMは、言葉でなくテレパシーを伝えているのだと答え、またカズ子からの様々な問いに対しても、カズ子を誘拐したのは円盤の秘密に気づいた周一の言動を牽制する人質のため、地球に来た目的はガロアの指示する条件を地球人が受け入れなければ皆殺しにするため――と答えた。そしてMが円盤内のテレビを操作すると、そこには病室の窓辺にうつろな目で立つ浅香博士の姿が映った。博士の頭には何かを受信しているかのように稲妻のような電光が閃いている。病室に入ってきた伊都子が驚いて浅香博士をベッドに連れ戻そうとすると、浅香博士は来客がもう来る頃だと答えた。続いてテレビの画面が切り替わると、病院への坂道を急ぐ周一と寺尾の姿が映し出された。Mはカズ子に、これから自分もその場へ行く、何が起きるかテレビで見ているがいいと語るのだった――。

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 この時点ではMの肉体は原作小説に準じて「ヒトデのような指」を持ち「緑色の血」が流れる植物性宇宙人として描かれているが、この設定はストーリー後半のオリジナル展開において大きく改変されることになる。
 水島記者のセリフで、今井周一がSF作家として一応知られた存在であること(ただし売れない作家という認識)が語られている。この設定自体はストーリー上ほとんど活かされていないが、やはり後半のオリジナル展開で熱狂的なファンもおり、それが事件を解決に導くキーマンを引き合わせる鍵になるという形で活かされている。
 今回は第一話のように劇中にスポンサーの製品を織り込めるような演出は台本上に見当たらないようだ。浅香の病室で伊都子が看病をしているシーンあたりでシルバー携帯ラジオから音楽を流しているような演出を加えていたのかもしれない。
 特撮シーンの有無も不明。脚本からの推測ではあるが、Mからのテレパシー指令を受けている浅香の頭に稲妻が閃くシーンをテロップ合成、円盤のテレビ画面に映る映像をハメコミ合成かグラスワークで表現したのだろう。
posted by 猫山れーめ at 07:19| Comment(0) | 遊星人M(TV版) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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